2023/12/14(木)~12/18(月)渋谷区神宮前JOINT HARAJUKU 2Fにて行われた、いくしゅん × Takaaki Sano 写真展『芋づる式』、12/15(金)19:30~に開催されたOpening Event GRIMM GRIMM Liveにスタッフとして参加してきました。
個展と音楽のコラボ
Takaaki Sanoの写真と音楽のコラボは、2018年に行われたGRIMM GRIMM とのコラボLive以来5年ぶり、2020年に行われたhachi(八月ちゃん)とのコラボ『写真と絵』以来3年ぶり。
いつも流行と洗練されたファッションを身にまとう若者が集まる場所。時にクラシックで、時に個性的な日常があるこの街に、クスッと笑顔になる風景、革新的で一見馴染みのない、それでいてどこか懐かしく、抒情的なしらべが流れた日。
その日スタジオはアトリエとなり、ギャラリーとなり、Live会場となり、憩いの場となった。
『南場さん、グリムグリムのライブスタッフやります?』
以前から交流があった親友の写真家Takaaki Sanoから、最初にイベントについて話があったのは、今年2023年2月の終わり。
5年前、スタッフとして参加したTakaaki SanoとGRIMM GRIMMのLiveが、最高に大変で、最高に刺激的で、最高に楽しかったのを思い出し、二つ返事でスタッフとして手伝わせてもらうこととなった。
今回は、有名写真家いくしゅんさんも一緒にコラボするとのことで、楽しみは倍増した。
この5年の間に、すべてのアーティストが影響を受けたであろう、コロナの大流行を乗り越えた、タフなクリエイターのイベントにスタッフとして参加できるなんて、代え難い経験だな、成功のためにやれることはすべてやろうと決意した。
個展に出す写真の準備、Live機材の搬入、搬出の確認。
新たに必要になったセッティング器具の買い出し、記録、Live中の接客等、裏方が私の仕事。
今回、Takaaki Sanoを慕う、10代~30代の“若手”クリエイターが手伝いを買って出ていた。若いエネルギーはそれだけで素晴らしい。彼らも含め、力を発揮しやすい環境を作ろうと思った。
写真家 Takaaki Sano
東京都足立区出身の写真家。
13歳で不登校になり、約7年間の引きこもり生活を送る。後に漫画家となる石塚真一より勉学の教授を受け、米国の大学へと進学。その後、上海、杭州、東京にて個展を開催。16歳で経験した精神病棟での臨死体験をモチーフに、国内外のアーティスト写真を精力的に手掛ける。アマナ主催IMAnext『MEMORIES』入賞。上海日本人学校小学部理科講師、創価高校英語講師を経て、現在フリーランス。
https://www.takaakisano.com/about
Takaaki Sanoの写真は、自分の世界と社会との融合であり、他人への提言であり、自己表現であり、叫びである。
写真家が個展を開催するために、膨大な量の写真から出す作品を選ぶ。
気の遠くなるような段階を踏む準備、妥協の介在しない積み重ねが生む確かな表現、個展という作品を作り上げる集中力と突破力。
生みの苦しみを、本人の1億分の1も分かるわけがない。
誤解を恐れずに言うならば、傍にいて、“楽しそう”では決してなかった。
削りだすように、自分の頭の中にある基準、コンセプト、目的への挑戦だった。
他人が選んでも、きっと今回の作品がそのまま選ばれることはなかったに違いない。
しかし、個展を訪れた人の目が留まり、ゆっくりと絵を眺め、味わう光景は、間違いがなかったことを示している。
写真家 いくしゅん
1980 年奈良県生まれ。主な同級生に広末涼子、朝青龍、鬼束ちひろ、マコーレー・カルキンなどがいる。
https://www.seigensha.com/books/978-4-86152-524-7/
どこにでもありそうな親しみやすさ、どこか笑えて、日常純度200%の、人々の生活がそこにある。
写真に撮った時のおもしろさ、何故こうなったのか、何が起こったのか、何かが間違っている、という笑みがこぼれる、1枚の写真の中に描かれている対称的なコントラスト、すべてが実際に、日常で起きているという、不思議さ。
それを写真に残せているということは、人より周りを視て生きているのだろう。
肩ひじ張らず、見れば元気になる。そんないくしゅんの写真は、青幻舎から発売されています。
GRIMM GRIMM
シンガーソングライター、コウイチ・ヤマノハによる音楽プロジェクト。
佐野貴明より
2014年冬頃から演奏活動を展開。現在までに国内外のインディーズレーベルから3枚のアルバムを発表。レティシア・サディエール、マルタ・サローニ、ジョセフィン・フォスター、ケビン・シールズ、石橋英子、山本達久、コウヘイ・マツダ等とのコラボレーションなど
他にはアーロン・ブルックナー、ジム・ジャームッシュ監督のドキュメンタリー映画「Uncle Howard」のサウンドトラック、スイスの欧州原子核研究機構CERN、ロンドン美術館デートモダン、Cafe OTOでの演奏活動など
愛らしくチャーミングな笑顔に磨きが掛かり、Liveが始まる前の一瞬の静寂、ギブソンの力強い音はギャラリーをLive会場に変え、紡がれる音楽は人を惹きつけていく。
日頃から耳になじむ音楽とはかなり異質で、人に説明するのも、なんだか難しい。
彼の音楽を聴いて、分かりやすくキャッチ―なメロディ、思わず口ずさんでしまう歌詞、盛り上げるサビは、あまり思い浮かばない。
私の日頃聴くジャンルではないのは間違いない。
そんな私が1時間のLive中、どっぷりその世界観に惹き込まれてしまった。
聞き覚えがあるわけではないのに、郷愁を誘い、懐かしく、少し切なく、心を動かされた。
目をつぶって、浸るように聴いている女性がいた。
目を開いて、彼の届けるものすべてを受け取ろうとしている女性もいた。
体を少し揺らしながら、目を熱くしながら聴く人もいた。
生の音は、嘘をつけない。
その姿からは音楽に対する姿勢、自信、積み重ねてきた行動、熱、思いがあった。
くぐってきた修羅場の数々が、苦労が、彼を、彼の音楽を分厚くし、磨いているのだろう。
CDよりLiveの方がずっといいのは、実力があるということ。
またLiveがあったら、きっと行く。
あらためて、またファンになった。
何かに打ち込んでいる、人を幸せにする、支える人はかっこいい。
またお会いしましょう。
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